「この行動(特徴)は発達障害なの?」
「2歳児の発達の目安を知りたい」
2歳ごろの発達は目まぐるしく、身体面・情緒面の発達が急激に進み、言語も増えてきてコミュニケーションが取れるようになります。
成長が嬉しい一方で、「周りの子と比べて自分の子どもの発達に不安になる」「なかなか言うことを聞いてくれない」などの発達に関する悩みも今まで以上に出てきます。
本記事では2歳児の発達の特徴やチェックリストを解説します。発達障害に悩んだ場合の相談先も紹介するので、ぜひ活用してください。
中学生と小学生の思春期を迎える2児の母親です。子どもの発達について詳しく学びたいと思い、保育士として発達支援施設で未就学児~小学生の子どもたちのかかわり方を学んでいます。
2歳児の発達の特徴
2歳ごろになるとできることが増えます。
家中を走り回る、イスやテーブルなど高い場所に登るなどの身体的発達に加え、言葉の発達や自我の芽生えなど心情的にも大きく発達します。
生活習慣も身に付き、親の様子を見てお手伝いをする、排泄感覚が分かり排泄ができるようになるなど、1歳児までとは違う発達が多く見られます。
できることが増えてしっかりとしてくる一方で、自分の意思を強く持つのでなんでも自分でやりたい「イヤイヤ期」と呼ばれる時期にも突入します。
ここでは2歳ごろの発達の特徴を見ていこうと思います。
身体的な発達
2歳ごろになると出生時の身長から約35〜37センチ、体重は8キロ〜9キロほど増え、体つきもしっかりとしてくることで歩行が安定してきます。
もちろん個人差はありますが、成長曲線グラフの中に入っていれば問題ありません。身長や体重のことで気になる場合は、近くの小児科で相談するようにしましょう。
粗大運動
歩行が安定し、走る・跳ぶなどの運動機能が伸びます。
- 鉄棒にぶら下がる
- ジャングルジムに登る
- ボールを蹴る、投げる
- リズムに乗って身体を動かす、体操をするなど
高い所に登る、飛び降りるなどのダイナミックな動きが出てきますので、ケガには注意しなければいけません。
微細運動
手先の発達が進み、細かい動作ができるようになります。
- 粘土を手のひらで押して広げる、丸める
- 積み木を高く積み上げて遊ぶ
- クレヨンでのお絵描きでは線や丸だけではなく、「かお」「くるま」など自分なりに考えて描けるようになる
- スプーンやフォークで上手に食べる
- ボタンのつけ外しができるようになるなど
遊びの幅が広がるだけでなく、生活習慣の自立も増えます。
心の発達
なんでも自分でやりたい気持ちが芽生え、思い通りにならないと激しく泣くこともあります。「イヤイヤ期」と呼ばれていますが、成長過程では欠かせない時期になります。
靴を履かせてあげる、ごはんを食べさせてあげるなど、普段してあげていたことに「イヤイヤ」と泣かれてしまうと親が参ってしまうケースもあります。
自分でやりたい気持ちを汲み取りつつ、周りの大人がフォローしてあげることが大切です。
余裕をもって接することや、周りの人に相談できる環境を作るようにしましょう。
言葉・コミュニケーション
この時期には語彙が増え、二語文・三語文が話せるようになります。
「きれい」「あつい」「かっこいい」など、感じたことを言葉で表せるようになります。会話ができることでコミュニケーションも取れ、やり取りがますます楽しくなっていきます。
遊びでは一人遊びから友だちや周りの大人と遊ぶことを好み、追いかけっこやごっこ遊びなどを楽しむ様子があります。
発達障害かもしれない?簡単11のセルフチェックリスト
2歳を過ぎると公園や児童センター、保育施設などで同じくらいの年代の子と会う機会が多くなります。
遊んだりふれあったりする中で周りの子と比べて、わが子の発達に悩みが出てきます。
「もしかしたら自分の子は発達障害なのかも?」と、不安に思い病院に行っても、以下の理由により診断が受けられない場合があります。
- まだ小さすぎるから
- 個人差があるから
- 発達途中だから
しかし上記の理由では今感じている不安やモヤモヤは解消できませんよね。
そこで発達障害を診断するチェックリストをまとめました。
- 発語の遅れ
- 味やにおいに敏感
- 音に敏感
- 寝つきが悪い
- 一人で遊ぶ傾向がある
- 特定の物へのこだわり
- 同じ行動を繰り返しする
- 激しく泣く
- 表情が乏しい
- 目が合わない、他人に興味がない
発語の遅れ
発達障害がある場合、初語が出るのが遅く、発語の習得に時間がかかることが多いです。
2歳ごろには2語文や3語文が出ることで、ある程度の会話が成り立つようになります。しかし発達障害があるとこちらの問いかけに答えられず、会話が成り立たないことが多いです。
味やにおい・音などに敏感
発達障害がある場合、感覚過敏傾向にあるため、食にこだわりが出て特定の味やにおい、音を嫌がることがあります。
【味や匂い・音などに敏感の発達の一例】
- 給食室の匂いに拒否反応を覚える
- にぎやかな部屋で耳を塞ぐ
- 極端な偏食がある
寝つきが悪い・寝が浅い
発達障害の子は健常児に比べて睡眠障害がある場合が多いため、疲れているのに昼寝ができず、ぐずってしまう・イライラしてしまうなどのケースもあります。
また、寝が浅く、夜中に何度も目を覚ましてしまいます。
一人で遊ぶ傾向・人見知りが少ない
発達障害の社会性の特徴で、他者に興味がないことが原因と考えられます。そのため一人で遊ぶ傾向にあります。
他者に興味がないために人見知りが少ないことも特徴です。
特定のものへのこだわり
特定のものへのこだわりがあるのも発達障害の特徴の一つです。特定の色や形、数字などに強い関心を示す傾向があります。
【特定のものへのこだわりの一例】
- 1番にこだわり、1番でないと泣く
- 特定の色ののおもちゃばかり集める、他人が持っている物も欲しがるなど
同じ行動を繰り返す
これは「常同運動」と呼ばれ、手や机をたたく、体を揺らす、物を回すなどの行動が見られます。
目が合わない、他人に興味がない
目が合わないことも発達障害の特徴の一つです。
他者の顔や表情に興味がないため、家族や友だちなどの区別がつけれないなどが考えられます。また人の表情などに興味がないことから表情が乏しい傾向にあり、笑いかけても無表情の場合が多いです。
子どもの発達についての相談先
子どもの発達については少しのことでも悩みがちです。
一人で悩みを抱え込むのではなく、近くの人に相談するのが解決するための近道です。人に悩みを相談することでスッキリしたり、解決する場合もあります。
周りと比べたり、一人で悩む必要はないです。発達・発育相談ができる機関を紹介します。悩んだときは活用していきましょう。
市町村保健センター
市町村保護センターは、市町村によって設置されています。
母子手帳交付や乳児検診などをおこなっているため、住民にとって身近で利用頻度が高い施設と言えるでしょう。
乳児検診時に相談も可能で医療機関への紹介や市町村での発達相談が可能です。
児童相談所
児童相談所は、各都道府県や政令市例都市に設置されていて、18歳未満の子どもやその家族を対象として相談できます。
発達相談だけでなく発達相談も可能です。医師、児童福祉司などの専門家から療育のアドバイスを受けられるため、子どもの育児に関して安心できるでしょう。
子育て支援センター
子育て支援センターは、子育てに悩んでいる方と地域を結ぶことを目的に、設置されています。
育児や発達についての相談だけではなく、各関係機関への紹介をおこなっています。
発達障害者支援センター
発達障害者支援センターは、発達障害の子どもを持つ親からの相談を受けたり、支援を専門におこなっています。
電話相談も可能で専門家から適切なアドバイスを受けるだけではなく、必要な場合は関係機関の紹介や福祉制度の利用ができます。
有料相談
有料のコンテンツを利用することも有効です。
子どもの発達などの悩みを専門家にオンラインやLINEで相談することもできるので、直接相談に行く時間がないかたなどにおすすめです。
参考:デキデキ発達支援の発達相談など
子育て・子どもの発達に関する不安を解消するためには
子育てに悩みはつきもので、近年は近くに頼れる人がいないために一人で悩んでしまったり、ネットの情報を見てさらに不安が増えるという悪循環に陥ることもあります。
また思い悩み、子どもにきつくあたってしまうというケースにもつながりかねません。
そのような事態に陥る前に、市町村の保健センターやかかりつけ医に不安だと思うことをありのまま相談するようにしましょう。
発達支援・教育に力を入れている市町村もありますので、まずは問い合わせてください。
専門家に相談し、意見を聞いた上で発達検査を受けるかを決めるとスムーズです。
発達障害と診断を受けたら
発達検査を受け、発達障害、発達障害グレーゾーンと診断結果が出たら、受け入れるまでに時間がかかるでしょう。
しかし悩んでいる時間はもったいないです。早期療育支援をおこない、その子に必要な療育を受けることで、社会生活における困難さが起こりにくくなると考えられています。
また発達障害の二次障害と呼ばれている、いじめや不登校、鬱などの問題も予防できると言われています。
診断を受けるのが怖いと感じるかもしれませんが、早期療育を受けることで症状が良くなる場合が多いのです。
まとめ
本記事では2歳ごろに見られる発達障害の特徴を、発達の目安と共に紹介しました。
2〜3歳までの時期は身体的発達だけでなく、心の発達も進み、言葉やコミュニケーションも取れるようになります。
できることが増え、ますます子どもとの関わりが楽しくなるでしょう。しかし発達の個人差が大きく、ほかの子と比べ悩んでしまうケースもあります。
発達や育児に悩んだときは、両親や子育て経験者、または同じような悩みを持っている人に相談、体験談を聞くことで解決の糸口が見つかる場合もあります。
一人で悩まず、誰かに相談してみましょう。
また「発達障害かも?」「育児の相談がしたい」と思う場合は専門機関などへの相談をすることをおすすめします。
相談窓口や関係機関を活用することで子どもだけでなく、その保護者にとっても良い解決策を見つけることができます。
そして、子どもとの関わりを良くしていくためにも一人で悩まず、相談の一歩を踏み出しましょう。