「海外移住に憧れるけれど、英語が話せない」
「海外に住むには、どれくらいの英語力が必要なの?」
海外移住を考えると立ちはだかる、言語の壁。
海外での生活に憧れたり、日本を飛び出したいと思っても、英語を話せないことが障壁となって踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。
英語力がないと、
「現地で生活していけるのか?」
「仕事は見つかるのか」
など、心配になりますよね。
ひとえに海外移住と言っても、仕事の仕方や住む環境によって、必要な英語力は変わってきます。
本記事では、アメリカ在住3年目の筆者が、
- 海外移住に必要な英語力
- 移住する前に準備すべきこと
- 海外移住後にぶつかる壁&対処法
など、海外移住で役立つ情報を、余すことなくお伝えします。
アメリカ在住のwebライター。
英語学習やアメリカのカルチャーに関する記事を中心に執筆。
アメリカ現地で使える「生きた英語」を習得するために、30個以上の英語学習アプリを使用した経験があります。
海外移住に必要な英語力はどのくらい?
海外移住に必要な英語力は、生活する条件によって変わってきます。
それぞれの生活条件ごとに、実際にどれくらいの英語力が必要なのか解説します。
【海外移住の豆知識】
ビザを申請する時点で、一定の英語力を必要とする国もあります。移住を考えている国や、ビザの種類によって、英語力の条件があるか否かをご確認されることをおすすめします。(各国の大使館のホームページなどでご確認頂けます。)
海外移住先で仕事をする場合
移住先で現地の企業に就職する場合、一般的にはIELTS6.5以上の英語力が必要であると言われています。TOEICに換算すると約820~870点ほどです。
目安として、TOEIC800点台は、英検準一級レベルに匹敵すると言われています。
アメリカの有名大学も、入学に必要な英語の最低ラインをIELTS6.0~7.0に定めていることが多いです。現地でネイティブと肩を並べて勉強をしたり、仕事をするにはIELTS6.5、TOEIC800点以上のスコアが必要とされることがわかります。
参照:IELTS公式サイト
ただし、日本企業の海外支店など、現地の日系企業で働く場合は例外です。必要とされる英語力のハードルが、上記の条件より下がるケースがあります。
日本語力が求められるポジションで仕事をする場合や、同僚に日本人が多い場合など、ポジションや職務内容にもよりますが、「簡単な英会話やメールのやり取りができる英語力」が採用条件になっていることもあります。
また、オフィスワークではなく、日系の飲食のスタッフや、日系スーパーの店員なども、日常会話レベルの英語力が必要となるでしょう
現地で仕事をせずに生活する場合
夫の海外赴任で移住する専業主婦や、アーリーリタイアで移住する場合など、海外移住先で仕事をしない場合もありますよね。そのような場合、簡単な日常英会話ができれば、生活には困りません。
筆者のケースを例に出すと、夫の仕事の都合によりアメリカに移住し、日本からリモートで仕事を請け負うスタイルで生活しています。そのため、とくに高度な英語力はなくても、問題なく生活できています。
現地の生活で英語が必要となるのは、下記のようなシーンです。
- ご近所さんとの挨拶や会話
- 買い物
- レストラン
基本的な挨拶や、簡単な質問などのやり取りができれば、日常生活に支障をきたすことはあまりありません。
その他の生活条件
そのほかに、必要な英語力を左右する要素は、「家族や身近な人の英語力」と「住むエリア」です。
たとえば、高度な英語力が必要となってくるシーンとして、「不動産契約」や「病院でのやりとり」などが挙げられます。
そのようなシーンで、家族に英語が堪能な人がいれば、あなた自身に高度な英語力がなくても問題ありません。
また、「住むエリア」も大きなポイントです。筆者は、ロサンゼルス(カリフォルニア州)とデンバー(コロラド州)に住んだ経験があります。
ロサンゼルスは日本人が多い傾向にあります。筆者の肌感ではありますが、英語が堪能に話せなくても生活していけるでしょう。
不動産契約や病院に行くシーンでも、日本人の不動産業者、日本人の医者がすぐに見つかった経験があります。
しかし、デンバーはロサンゼルスに比べて日本人が少なく、日本語対応をしてもらえるケースは稀です。そのため、英語力が必要とされるシーンが多いのが事実です。
同じ国の中でも、求められる英語力は異なります。移住先の国やエリアも必要な英語力を左右する要素となり得ます。
英語を話せない人が海外移住するために準備すべきこと3選
どのような形で海外移住するにせよ、英語圏に住むと日常的な英会話スキルは必要です。
海外移住に備えて、最優先して準備しておくべきことを紹介します。
自分の「英会話力」を把握しておく
海外移住後に何より必要になるのは、「英会話力」です。
リーディングやリスニングが得意でTOEICで高得点を取っている人でも、現地でまったく話せずに困惑するケースがあります。
まずは、自分の「英会話力」を認識することで、現地で困惑することを避けられます。さらに、自分のレベルに合った方法で効率的に「英会話力」を向上させることができます。
「英会話力」を測る方法でオススメなのが、VERSANTという英語技能テストです。
VERSANTは、公式サイトでも「本当に話せる英語力の証明」とうたっており、英語の実践力を世界基準ではかることができます。
また、スコアごとに「英語でできること」が詳細に定義されています。自分の「英会話力」でできること、できないことを的確に把握することができます。
日常英会話フレーズを覚える
海外移住を見据えて英語を勉強するなら、「日常英会話フレーズ」を覚えましょう。移住後のコミュニケーションがスムーズになります。
この章では、「これさえ覚えておけば何とかなる!最低限覚えておきたい日常英会話フレーズ」をご紹介します。
<挨拶フレーズ>
①こんにちは!
Hi! How are you?
②挨拶に対する返答
I’m good. How are you?
<買い物フレーズ>
①○○はどこですか?
Can you tell me where ○○ is?
ちなみに、このフレーズは、お手洗いを探している時などにも使えます。
<注文(カフェ・レストラン)フレーズ>
①○○をください
- Can I have ○○?
- I’d like ○○, please.
日常生活で頻繁に使用されるのに、教科書では習わないフレーズが沢山あります。そういった日常英会話フレーズを覚えておくと移住後のコミュニケーションがスムーズになります。
【効率的に日常英会話フレーズを覚える方法】
- 独り言英会話(目に入ったものや、ふと思ったことを英語で表現する癖をつける)
- 日常英会話フレーズをまとめた本で学習する
- 海外ドラマや映画を見て、日常的に使われるフレーズを学ぶ
海外の人と話すことに慣れておく
文化の異なる海外の人と、第二言語でコミュニケーションをとるのは、簡単ではありません。喋る際に緊張するのは当然です。
しかし場数をたくさん踏めば、いずれ喋ることに慣れて抵抗感や緊張もうすれていきます。
海外移住のために英文法を学んだり、ボキャブラリーを増やしたりすることもとても大切です。しかし、それ以上に海外の人とのコミュニケーション自体に慣れておく必要性を感じます。
オンライン英会話などで、外国人の先生と会話の練習するのがおススメです。
海外移住後にぶつかる壁&対処法3選
海外移住先で、日本人がぶつかる壁&対処法をご紹介します。
問題点を知っているのと知らないのでは、受ける精神的ダメージが大きく異なります。
日本人移住者が陥りがちな壁をしっかり理解し、対処法を考えておきましょう
基本的なことすら、聞き取れない
少なからず、中学高校で6年間学ぶ英語。
英語に苦手意識があっても、「最低限のやり取りくらいなら、できるだろう」と想像する方も多いのではないでしょうか?
筆者は、アメリカに移住した当初の英語力はTOEICで約700点。
英語はできるほうだと思っていましたが、ネイティブの言っていることが驚くほど聞き取れませんでした。
たとえば、スーパーでレジの店員さんに
「Do you need a bag?(袋は必要ですか?)」
と、中学校1年生で習うような基本的なことを言われていても、何を言われているのかわからないレベルです。
その大きな理由の1つが、会話スピードが非常に早いことです。
筆者も、自分のコミュニケーション力や英語力に自信を失い、ネイティブに話しかけられるのが怖くなるほどでした。しかし、これは誰しもが通る道なので、心配いりません。
聞き取れなかった自分を責めたり、動揺したりせずに「そういうもんだ!」とポジティブに捉えましょう!それだけでも、コミュニケーションが良い方向に向かいます。
<対処法>
①「もう一度『ゆっくり』言ってもらえますか?」と笑顔で伝える。
<参考フレーズ>
Could you repeat that slowly?
Can you say that again slowly?
※「ゆっくり」という言葉を加えないと、ネイティブは同じことを同じスピードで繰り返すだけなので、「slowly」を忘れずに。
自分の英語が恐ろしいほど伝わらない
アメリカ現地では、「自分の英語って、こんなに通じなかったのか?」と動揺することがあります。
事実、日本に住んでいる外国人や、英会話の講師と会話をしていて通じていたはずの言葉や、表現が通じないケースはたくさんありました。
日本人と交流の多い外国人や、オンライン英会話の外国人講師などは、日本人の発音や表現のクセに慣れています。しかし、現地のネイティブはそうではありません。
特に「カタカナ英語」「w,r,lを含む単語」は、伝わりにくい印象があります。
たとえば、
チケット・シロップ・ピスタチオ、ホットドッグ、バッド(bad)など、カタカナ読みする癖がついている単語。
Blueberry、world、West Wood(地名)など、rやlが入る単語や、wが先頭に来る単語も伝わりづらいことがあります。
<対処法>
発音を地道に矯正していくのはもちろん重要なのですが、もう少し即効性のある対処法を2つご紹介します。
①声の音量を上げる。
日本人は、英語を話す声の音量が小さい傾向があるそうです。第二言語で発音が完璧でない上に、自信がなくて声が小さいから伝わりづらいのだそう。
そのため、意外な対処法ですが、発音がそのままでも声量を上げるだけで、通じる割合が格段に上がります。
文化の違い
グローバル化が進み、世界中の情報にアクセスできるようになった今でも、やはり文化の違いは存在します。
宗教的な背景、物事の捉え方、挨拶などさまざまな違いがありますが、ここでは生活に密着した単位の違い(アメリカ)を紹介します。
単位 | 日本 | アメリカ |
重さ | グラム(g) | ポンド(lb) |
容量 | リットル(ℓ) | オンス(oz) |
温度 | ℃ | ℉ |
長さ | センチ(㎝) | インチ/フィート(inch/ft) |
例えば、カフェでドリンクのサイズを聞かれる時、「12oz or 16oz?」などと聞かれます。
また、生年月日の答え方なども違います。
日本では1990年1月1日と答えますが、アメリカではJanuary 1st 1990と、月/日/年と答えるのが一般的です。
このように、移住先の国の習慣の違いが壁になることがあります。
<対処法>
単位を変換するアプリを一つスマホに入れておくと、便利です。
また、一つひとつの違いを楽しめるマインドを持つとっていると、面白がりながら自分の世界を広げていけます。違いやちょっとした壁を悩みの種にするのではなく、楽しもうとするマインドセットを持てると、海外移住を実りあるものにできます。。
海外移住を実現したいならコーチングがオススメ
海外移住実現に向けて、短期間で英語力を上げたい人におススメの方法をご紹介します。
それは、「コーチング」です。
コーチングは、専属のコーチがついて、あなたの現状や目的に対して最も効果的な学習メニューを作成し、モチベーション維持も含めてサポートしてくれます。
高額ですが、実際に短期間で結果が出ます。
筆者も、コーチングで英語学習を実践した経験がありますが、1ヶ月でVERSANTのスコアが10点上がりました。
まとめ|海外移住に向けて自分に合った準備をしよう
本記事では、「海外移住に必要な英語力」「英語を話せない人が移住前に知っておくと役立つ情報」をお伝えしました。
移住後のライフスタイルや住む環境に合わせて、自分に必要な準備を効率的に行うことがポイントです。
海外に移住すると、言語・文化の違いなどさまざまな壁にぶつかります。しかし、その何倍も得られるものがあります。生きる世界や価値観が広がり、人生やキャリアの新たな可能性も開けていきます。
自分に必要な英語力を効率的に身につけて、ぜひ憧れの海外移住を実現してください。